大証システム制度変更の影響

2011年2月9日(水)

来週からスタートする大証システム制度変更及び新システムJ-GATE導入。

これによってどんな影響が出てくるのかを考えています。

ザラバ(立会時間中)での売買を行うデイトレードに限定した場合、

1) 昼休み廃止による価格ギャップの消失

上海市場などが活性化してくる時間帯がちょうど日本の昼休みと重なっていました。前場・後場で動かずに、昼休みだけで動くような相場だとしても、デイトレードではエントリー&エグジットどちらにも急な動きに対処が可能となります。デイトレードやシステムトレードには有利ではないでしょうか。反面、相場に勢いがつかず終日グズグズした値動きになることもありそうです。

多くのトレーダーがこれまで11:00~12:30での売買をしていなかったので当初は様子見するはずなので板が薄くなります。ちょっとしたことで価格が動くので注意が必要です。

2) シリアル限月導入による流動性の変化

日経225miniはこれまで3ヶ月毎の限月で期近と期先だけでした。これが1ヶ月ごとの5限月制度になります。

一番気になるのは流動性の変化。どの限月が一番良く取引されるのか。期近なのかラージと同じ3ヶ月毎限月なのか。どちらにしてもこれまで2つだった限月が5つに増えるので、miniの出来高は分散されるはず。出来高の減少はスリッページが発生しやすくなるので成行注文はやや不利か。

オプション売買ではシリアル限月を使ってデルタヘッジがしやすくなるメリットはあるようです。限月間のサヤ取りなども最初はエッジがあるかもしれません(すぐになくなるでしょうけど)。

3) J-GATEの高速処理による約定速度の変化

J-GATEによって売買処理が高速化されるとなっています。これによって受付注文や約定の速度にどのような影響があるのか。

この影響を考えるためには、これまで何がボトルネックになっていたかです。例えば証券会社によって注文の約定速度が大きく違うとすれば、受注処理サーバや回線帯域が要因です。

その先にある処理が高速化されるということでは、「より早い者勝ち、遅いもの負け」の構図が強化されるでしょう。これを利用した大口や機関投資家がどのような売買を行うのか。蓋を開けてみなければわからない世界です。

証券会社の特色として「安いけど遅い」のか「早いけど高い」のか、そのようなサービスの差別化はより進むかもしれません。

・・・と、まだまだ色々なことが考えられますが、結局は大口の動き方次第、それに続く投資家がどういう行動をとるか。

夕場延長当初は、極端に動きすぎるか、反対に動かなすぎるという時期がありました。小慣れてくるのに2~3ヶ月かかりました。今回も同様でしょう。注意深く見ていきたいと思います。

いずれにしても、これを機に日経先物・ミニ全体の出来高が増えてくれるのが良いシナリオです。